書くこと
「お隣、いいですか?」って言ってみたら、新幹線で隣に知らない方が座っている時間が、楽になりました。
その一言しか交わさなくても、その一言を交わす大切さに気づかされました。
ブログを書き始めたきっかけのひとつは、「くらしのきほん」です。
『暮らしの手帖』や数々の著書でなじみのあった松浦弥太郎さんが、クックパッドに移籍してつくっているWebメディア。
このなかに、「夜のよみもの」という時間限定(夜8時から朝5時の間、読める)のコーナーがあり、
松浦さんが「泣きたくなったあなたへ」と題した文章を綴ってらっしゃるのですが、毎回、語りかけるような挨拶から始まります。
読者との距離、画面越し、文章越しの距離の取り方を、その時々に確かめながら書いていらっしゃるような出だしです。
定型文ではなく、それぞれの回で機微をことばにしてらして、ことばで仕事をするとはこういうことかと感じ入っています。
2016年2月29日現在、19まであるなかで、わたしは18の出だしが好きです。
紋切り型の挨拶や決めたルーティンをこなしていくことも、たまには必要かなと仕事を始めて思っていました。
でも、それでは面白くないな、ちゃんと時々に心も頭も動かしたいなと感じていました。
そんなとき、この文章が私のなかにあったスイッチをおし、「わたしのきほん」というサービスを開始することで、グググっと背中を押してきました。
(「わたしのきほん」は、120字で、「料理」や「恋愛」、「人生」などについての自分の基本を書くサービスです。まずは、自分のために。そのうちに、公開・シェアされる形で、いろんなひとの「きほん」も掲載されていくようです。)
最初の「わたしのきほん」を書こうと思ったら、120字に収まらなかった。
書きたいから書いています。
まずは自分のために。