花とご飯と本と

4月23日はSant Jordiというと初めて知りました。

これは、スペイン・カタルーニャ地方の祝祭日で、

女性に花を、男性に本を贈る日だそうです。

花は美と教養、本は愛と知性の象徴とのことですが、

女性にだって男性にだって、花でも本でも贈ったらいいじゃない、

だってもどっちも好きなんだもの!

と花も本も好きな私は気持ちが高まり、自分のために花も本も買いました。

贈る要素・・・・・・。

本は沖縄で買った島尾ミホさんつながりでしまおまほさんの著書など。

花は、サーモンピンクの小さなばら(名前書いてあったのに忘れた)数輪を中心に、

グリーンとニゲラという青い花を合わせてもらいました。

この薄い青がサーモンピンクと合わさって実に活きる。

双方がよく見える組み合わせってこういうことだなと再確認する瞬間でした。

自分で選び始めても、なかなか花束として整わず、

アドバイスいただいたからこその発見でした。

そして、包んでいただいた花を持って、歩き、電車に乗り、バスに乗り。

花を持って街を歩くのは骨の折れる部分もあるし、

長時間になると花がかわいそうなのですが、

少しの間なら、街の空気を変えるように歩けるのが楽しいです。

たまに、一輪だけや数本だけ、花を買います。

用事の途中の思いつきです。

それだけで、ぐっと胸が高鳴るのだから不思議です。

 

そんな花を抱えて、

「きょう、何をどうやって食べますか」というタイトルのトークイベントにも

行ってきました。

会場はアートエリアB1。

今は「サーチプロジェクトvol.5 ニュー”コロニー/アイランド”2 災害にまつわる所作と対話」という展覧会の真っ最中です。

このトークでは、会場に「きょう、何をどうやって食べますか」ということばから、

理想の食や食にまつわるエピソードを語る時間がありました。

あの場だからこそ語られたであろう話だったので詳細は書きません。

が、個々のエピソードには、力強さや切実さがありました。

 

「食べなければ生きていけない」

しかし、

「食べられたらいいわけではない」

 

栄養素、食卓を誰と囲むか、食事の時間帯、調理方法、自炊か外食か、食材の産地、食文化・・・。

ひとくちに食といっても、切り口は膨大にありますが、

個人的には「出来立てのものを食べる」ことの幸福を最近しみじみと感じました。

昼から晩にかけての仕事をしていると、

朝昼兼用の簡単なものを食べてから仕事に出かけ、

晩御飯はお弁当か仕事場の近くで調達したご飯。

こういうときの食事は、どこか「調達」といった響きを持っています。

ゆっくりできたてのものを味わうといった余裕はありません。

 

しかし、同じ唐揚げひとつとっても、出来立てがいかに美味しいか。

店に入っても写真を撮るより出来立てを食べたい派なのですが、

それでも日々に追われて出来立ての美味しさを忘れていました。

職場に共同キッチンがあれば、出来立てのものを食べれらるのに、と

想像しています。

ご飯を食べるというのは生活の基本なのだから、

仕事に押しつぶされてしまうのはなんだかなあと思います。

 

花、ご飯、本。

日々を過ごしていく上で、大事にしている3つのことについて、

思いを馳せる1日になりました。