ほころんだ世界を
フラワーアレンジメントの教室に行ってきました。
今回は季節の花のブーケ。
植物を育てたり、部屋に花を飾るのを欠かさないなんてことはけしてないのですが、
漠然と花が好きです。
梅の蕾がふくらみほころんでいるのに気づく、とか
暗い夜道に漂う金木犀の香りに秋を感じる、というのも好きなんですが、
もっと好きなのは、花屋で花を買うことです。
何てことのない日に通りがかった花屋に寄り、
直感で選んだ一輪の花や小さな花束を、行く先で会う人や自分にプレゼントする。
就活で行った広尾の高級花屋で大輪の真っ赤なダリアを買ったこともありました。
これは、ささやかな破壊衝動を満たします。
自然に咲く野の花ではなくて装飾性をたたえて花屋を彩る花。
そんな花を持って歩くこと、贈ること。
それは「日常」への抵抗であり、「ケ」を「ハレ」に変えようという欲望の発露。
花を携えて、少しほころんだ世界を歩く。